ポテトとバジル、ときどきトマト

移住を期に、山口県周南市の保健所様から2匹の保護犬を引き取り、ポテトとバジルと名付けて私達の家族として迎え入れることにしました。そんな二匹の成長の記録を残そうと始めたブログです。今も野犬がどこかで保護されて、うちの子たちのように運良く里親に巡り会えた子達はまだ幸せかもしれませんが、巡り会えずに保護の期限が過ぎて処分されてしまう子たちがまだまだ居るんだと思うと、居ても立っても居られません。一匹でも多くのワンちゃんが不幸にも処分されることのない世の中になることを祈ります。

原因不明の病を患う

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2019年4月24日

いつもなら、部屋中をバタバタ走り回り、バジルにちょっかいをかけたり、追いかけ回したりしてるのに、今日は丸まって肩でゼェゼェ息をしている感じ。逆にバジルが、ポテトに遊んでよとちょっかいをかけるけど、相手にする気配なく。

ご飯の時間になると、柵を乗り越えようと、策に前足をかけて、キャンキャン鳴き止まないくらい興奮気味にご飯をまだかまだかと待つのに、今日は全く興味を示さない。

どうしたのかなと、ポテトの頭を撫でようと手をやると嫌がるので、なんだろう?と顔をじっと見ると、顎から首にかけての右側がパンパンに腫れていました。

触ろうとすると嫌がるので、どうやら痛いみたいでした。

バジルと喧嘩して、口の中を噛み合って、化膿してしまったのか、虫に刺されたのか、色々考えました。

とにかく、なんとかしたげなきゃ!と、病院に連れて行くことにしました。。。

病院の先生に、

昨日の夜まで、なにもおかしなところはなかったのに、今朝になって急に顔から首にかけてパンパンに腫れていたこと。

元気なく、息も荒く、全く動こうとしないこと。

を、伝えました。

とりあえず、お尻に体温計を指して、体温測定をしてもらうと、39.7℃。

思わず、高っ!って声に出してしまいました。

先生曰く、犬の平均体温は38℃代と比較的高いので、そこまで高いとはいえないものの、熱がある状態とのことでした。

口の中に傷がないことから、化膿したのは考えにくいし、虫に刺されたのかもしれないし、はっきりした原因はわからないとのことでした。

「注射を打ちましょうね。」と、注射器を持って先生が出てくると、クーンクーンと急に不穏になり出しました。

不安で診察台から逃げようとするポテトの肩を抑えて、抗生剤と頓服の注射を背中に打ってもらい、背中に注射器の針が刺さり、「キュン」とひと鳴きして、診察は無事終わりました。

抗生物質の薬を処方をしてもらい、うちに連れて帰りました。その日1日は、ずっと小さく丸まってましたけど、翌日には腫れも大分ひいて、昨日の元気なさが嘘みたいに元気に復活していました。

結局、一体なんだったのだろうか。。。

 

初めてのシャンプー

2019年4月23日 昨日の検診で先生からのお許しが出たので、我が家で初めてのシャンプーを実施しました。ノミとダニとりのシャンプーです。野犬として自然の中で生き、どれだけ職員さんが綺麗に清掃してくださってるとはいえ、捕獲されるまでに体についてしまったダニやノミや、皮脂や排泄物などの汚れは切っても切れないものだと思いますが、勝手な判断でシャンプーしてしまって良いものか悩むとこでもありますので、先生に相談してからシャンプーをすることにしました。

引き取ってから一週間、毛に艶もなくすえた臭いもだいぶしていたので、先生からの許可が出た日に待ってましたと、早速シャンプーをさせていただきました。

バジルは、シャンプー自体は怖がらずにおとなしく、比較的楽に洗うことができましたが、翌日まで連れていく時に、これからどこに連れて行かれるのか不安に駆られるのでしょう。どうしてもウンチを漏らしてしまいます。

ポテトは、逆でどこに連れて行っても平気な顔なんですけど、お湯が怖いみたいで、浴室で暴れ倒して、もう洗うのが大変のなんの。シャンプーのついた体をブルブル震わして、その辺泡だらけにされてしまいました。

二匹とも、やっぱり半端なく汚れていたのでしょうシャンプーを流したお湯が真っ黒でした。

シャンプーを終えた二匹とも、しっかり毛に艶が戻り、毛がフワフワで可愛さが倍増しました。

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シャンプーを終えたポテトちゃん

初めての検診

2019年4月22日 ハンガーストライク中のバジルでしたけど、餌も水も手にすくい口元に持っていくと、恐る恐るでも食べてくれるようになってくれるまでなりました。なんだかんだでお腹空いてたんやな〜と、ちょっぴりホッとしました。

さて、今日はこっちに引っ越してきて1週間となりましたので、検診の為あらかじめ調べておいた地元の一番評価が高い動物病院を訪ねました。初めての病院に緊張MAXのポテトとバジルは、出かける前から不穏そのもの。いつもはホワンとしているポテトも、抱き上げたら必死に暴れて、移動のキャリーの中でも、キュンキュンキュンキュンと泣きわめき、バジルは抱き上げるたびにウンチをポロポロ漏らす始末。病院に連れていくだけで、バテてしまうくらいの大変さでした。

事前に調べた評価の通り、丁寧にあれこれ教えてくださるステキな受付の方と先生でした。

怯えて診察台をうろうろ歩き回るバジルと、恐怖心から先生が背中に手を置いた瞬間に歯をむき出しにして噛み付こうとしたポテトを見て、極度の怖がりであるから、今の環境になれるまでは叱らず、まずは安心させてあげてくださいと教えてくださいました。

そして、まずは回虫などの虫下しのお薬の処方と体重測定をしていただきました。

バジルは、3.7kg。ポテトは、2.5kg

先生曰くバジルは、17〜18kgほどまで成長するでしょうとのことでした。バジルちゃん、あんた大型犬だったんだ。

診察台からキャリーに移そうと持ち上げると案の定悲しそうな目で遠くを見つめてウンチをポロポロ。安定のバジルちゃんでした。 

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検診から帰りぐったりの2匹

哺乳瓶とミルクを

2019年4月19日 相変わらずハンガーストライキ状態のバジルと、バジルが食べない餌をもペロリと平らげてお腹をパンパンに膨らませるポテト。

これでは、バジルが衰弱して死んでしまうし、ポテトも健康上いい状態じゃないし、なんとかしなければと、頭を悩ませる日が続いていました。

哺乳瓶とミルクを町のスーパーまで車を走らせて買いに行き、温めたミルクを試してみましたけど、全然飲んでくれる気配はなく、横からポテトがガブガブ飲む始末。どうしたらいいんだろう。。。

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寒さからか不安からかガタガタ震えるポテト
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ゲージの隅から相変わらず動かないバジル

ハンガーストライキ?

2019年4月17日 ポテトとバジルが私達の家族になって3日目。ウチに着いてから、ポテトとバジルをペットキャリーから同じゲージに移しましてから、喧嘩どころかすぐに仲良くなりました。(ポテトが一方的にバジルにベッタリ引っ付いて離れないだけ)特に夜鳴きもなくおとなしく過ごしていました。

ポテトは、これまで群で生活していたので、人肌というか犬肌?が恋しかったのか、ペットキャリーの中から出てこようとしないバジルのペットキャリーに自分から入っていき、バジルの隣にちょこんと伏せましたから。幼くして親とも兄弟姉妹からも離されたわけですから、そりゃ寂しいでしょう。バジルは、相変わらずゲージの隅に顔をやり体を強張らせてじっと座って動こうとしません。触ろうとすると、バタバタっと、反対側の隅に逃げるは、餌も食べない水も飲まないハンガーストライキ状態でした。

さて、どうしたら餌や水を口にしてくれるのか。最初の壁にぶち当たりました。

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バジル、ハンガーストライキ中。

我が家へようこそ

さて、話は戻りまして。前泊した徳山駅周辺のホテルを朝一番で出発して、周南市の保健所に向かいました。前日までこの日を楽しみにしていた夫も、「ちゃんと選んであげられるか自信がない。。。」車の中で、不安そうに夫が一言呟きました。それはそうだと思います。私達個人が引き取れる命には限りがあります。私達にも生活がありますし、出来るものなら一匹でも多くの命を救ってあげたいです。命は平等なはずだと思うし。しかしながら、無理にたくさん引き取って生活が立ちいかなくなったなんて無責任なことはできませんから、悔しいですけど私達夫婦には1匹2匹が限界です。なので、たくさん収容されている子達の中から選ばなければなりません。夫が不安になるのもわかります。

窓口で受付を済ませて、前回同様保護犬の収容所に案内していただきました。収容所は、やっぱり獣臭さが鼻につき、床には彼方此方にウンチやオシッコが散らばり、ブラシで職員さんが磨き上げるも、全然間に合わないと行った感じでした。一匹で保護された子は、某の隅に顔をやりジッと体を強張らせている様子でした。群で保護された子達は、まるで積み重ねられた石ころのように身を寄せ合っていました。一通り保護されている子達を見せていただきました。どの子も怯えていたのですが、中でも群の中に体を埋め、抱き上げようと手をやる職員さんを、今にも噛み付いてやると言わんばかりに唸りながら必死に抵抗していた子の姿が印象的でした。

そんな中でもまだすんなり抱き上げられた子がポテトでした。まだ小さく職員さん曰く1ヶ月くらいで、ことの事態を把握できていないようでもあったのですが、職員さんに抱き上げられキョトンと私達を見つめる姿に可愛さを感じて、引き取ることを決めました。

そして、事前にこの子と決めて見せていただいたのがバジルでした。バジルは、一匹で房に保護されていて、恐怖心から房の隅に体を埋め壁の方に顔をやり目をつぶっていました。

「隅で体を埋めて壁に顔をやってる子は、怖さから噛み付いたりすることが多いんです。」

職員さんは、深呼吸して分厚い手袋をはめ直してポツリ。

「僕が行きましょうか?」

ブラシで床を磨いていた職員さんが、ブラシを置いてバジルのいる房の扉の鍵を開けて、バジルの背中にそっと手を起きました。

その手を前足の付け根までゆっくりゆっくり動かし、バジルが唸り声を上げる気配がないことを確認して、グッと持ち上げました。

バジルは、噛みつきも唸りもせず、ただただ悲しそうに細い目でどこか遠くを見ていました。「この子は、大人しいな。壁に体を埋めて顔を壁に向けてる子は、だいたい触ると怒るんだけどな。連れてってもらえたらいいな〜。」とバジルに優しく語りかけておられました。

「あんた、ぶっさいくやな〜。」

そう言われながらも、バジルはずっと遠くを見つめながら、ぜったい目を合わせようとしませんでした。挙げ句の果てに、それは今でも続いてはいるのですが、持ち上げられながらウンチをポタポタ。

「あーあー、何やってるの?」

職員さんは、しょうがないな〜と、バジルに語りかけました。バジルは、相変わらず悲しそうな目をしてどこか遠くを見つめていました。

「なあ、この子もいいかな?」

「自分が決めたならいいんじゃない?」

「すみません。この子もお願いします。」

こうして、悲しい目のバジルも引き取ることになりました。バジルを、ペットキャリーに入れると、保護犬を引き取るにあたり保健所と誓約書を交わして、収容所を後にしました。

帰り際に職員さんと、以前実家の遣いで以前周南市の保健所でワンちゃんを引き取ったこと、そして今も元気に実家で暮らしていることを伝えました。

「それなら、良かったです!元気に暮らしてるんですね。幸せになってくれたのなら、良かったです!」と、おっしゃっておられました。

また、以前は日本での犬猫の殺処分率ワースト3という不名誉な座についていたみたいですけど、今では保護犬や保護猫を助けてくださる団体様や個人様のおかげもあり、今ではワースト3という不名誉な座を見事手放すことができるようになったと伺いました。それは、本当に良かったなと思います。

今回引き取ることになった二匹とも、野犬だったそうで、その野犬もその親達、はたまたその親達は、誰かに飼われていて捨てられた子だったりするわけで、飼い主の無計画や無責任が発端だったりするわけです。正直許される事ではないと思うし、少しでもこんなことが無くなればいいのにと思います。

私達夫婦は、子供はまずできませんので、私達の家族として少しでも満足できる生活をさせてあげられたらと思います。

 

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周南市の保健所が入る総合庁舎
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うちに来た翌日のバジル。相変わらずゲージの隅に顔をやり体を埋めています。
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マイペースなポテトは、バジルの背中に顎をのせて一日中ベッタリ。

先代のハナシ

2019年4月15日。私達は、山口県周南市にある保健所様にて、愛娘バジルとポテトの保護を決めました。なぜ、鹿児島住まいの私達が山口県まで保護犬を引き取りに行ったのか。まずは、その理由をお話しさせていただきます。

2年ほど前、私の両親が山口県周南市の保健所で保護犬を2匹引き取り、現在も実家の家族として養っています。

当時山口県は1年間で3945匹の犬や猫が殺処分されていたようで、日本でワースト3だったらしく、特に周南市には野犬が多く、人に懐かず引き取りが難しい為、そのまま保護期間を過ぎて殺処分となってしまう子が多いとの事でした。

うちの両親は、その現状を嘆き保護犬の引き取りを決めたのです。そこで引き取りに周南市の保健所を訪れたのが私でした。

窓口で受付を済ませると、保健所内にある収容所に通されました。収容所内部には、獣臭さがムッと鼻をつきました。お皿に盛られたドライフードに彼方此方に散乱するウンチやオシッコ。それらをブラシで必死に清掃する職員さん。収容房やゲージの中で、自分達はこれからどうなるのか不安そうに怯える子達、群で保護された子達は身を寄せ合い、職員さんが取り上げようとすると必死に嫌がって抵抗する姿なんかみてると、心を乱されずにはいられませんでした。とてもじゃないけど、目を開けてられませんでした。

山口県の保健所では、現在保護されている犬や猫の情報はホームページ上で確認できるので、両親はあらかじめどの子にするかを決めていましたが、残念ながら、いや幸いなことです。決めていた子は、すでに心ある人に引き取られたようで、既に保健所にはいませんでした。

連絡の繋がった父親に連絡し相談すると「お前に任せる!」との事でした。そういう丸投げは、本当に勘弁してもらいたい。ここに居るみんなも命懸けなわけで、そんな簡単にこの子にしますなんて決められる訳なんかありませんから。でも、任された以上決めるしかありません。

まず群の中で一番弱そうに見えた茶色の子を引き取る事に決めました。職員の方に伝え、ペットキャリーに入れるお手伝いをしていただきました。怖がって嫌がりながらも何とか入ってくれて、一安心。

さてもう一匹どうしようと、立ち上がると足元に黒い何かが見えました。それは黒いワンちゃんで、その子は自分でペットキャリーに入ろうとしていました。職員さんが「すみません。」と、申し訳なさそうにゲージに黒いワンちゃんを抱き上げて戻しました。「何で開いたんだろう?」と職員さんが不思議そうにつぶやきました。ゲージの扉が閉まらず開いていたようで、職員さんが扉の鍵を掛けようとすると、黒いワンちゃんは頭で必死に扉を押しあけようとしています。根負けした職員さんが扉を開けると、黒いワンちゃんはまっすぐペットキャリーに歩いてきました。

「この子にします。」

何でかわからないけど、二度も自分からペットキャリーに来てくれた事から、これを運命と信じて黒いワンちゃんも引き取ることにしました。この黒いワンちゃん、帰り際に職員さんから聞かされたのですが、路肩に一匹で彷徨ってるところを保護されて、保健所に連れて来られたばかりだったようで、「あんた、ホントラッキーな子だね〜。」と、職員さんに頭を撫でられていました。

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引き取った二匹のワンちゃんです。
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茶色の子はハナちゃんと名付けられました。相変わらずビビリで、緊張がMAXに達するとついついお漏らしをしてしまいます。
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ラッキーワンちゃんのこの子は、クロちゃんと名付けられました。この子は、お散歩で外に出るのが怖いみたいですが、草むらが大好きで、草むらまで行ってしまえば、楽しそうにはしゃいで飛び回るヤンチャ犬です。