ポテトとバジル、ときどきトマト

移住を期に、山口県周南市の保健所様から2匹の保護犬を引き取り、ポテトとバジルと名付けて私達の家族として迎え入れることにしました。そんな二匹の成長の記録を残そうと始めたブログです。今も野犬がどこかで保護されて、うちの子たちのように運良く里親に巡り会えた子達はまだ幸せかもしれませんが、巡り会えずに保護の期限が過ぎて処分されてしまう子たちがまだまだ居るんだと思うと、居ても立っても居られません。一匹でも多くのワンちゃんが不幸にも処分されることのない世の中になることを祈ります。

先代のハナシ

2019年4月15日。私達は、山口県周南市にある保健所様にて、愛娘バジルとポテトの保護を決めました。なぜ、鹿児島住まいの私達が山口県まで保護犬を引き取りに行ったのか。まずは、その理由をお話しさせていただきます。

2年ほど前、私の両親が山口県周南市の保健所で保護犬を2匹引き取り、現在も実家の家族として養っています。

当時山口県は1年間で3945匹の犬や猫が殺処分されていたようで、日本でワースト3だったらしく、特に周南市には野犬が多く、人に懐かず引き取りが難しい為、そのまま保護期間を過ぎて殺処分となってしまう子が多いとの事でした。

うちの両親は、その現状を嘆き保護犬の引き取りを決めたのです。そこで引き取りに周南市の保健所を訪れたのが私でした。

窓口で受付を済ませると、保健所内にある収容所に通されました。収容所内部には、獣臭さがムッと鼻をつきました。お皿に盛られたドライフードに彼方此方に散乱するウンチやオシッコ。それらをブラシで必死に清掃する職員さん。収容房やゲージの中で、自分達はこれからどうなるのか不安そうに怯える子達、群で保護された子達は身を寄せ合い、職員さんが取り上げようとすると必死に嫌がって抵抗する姿なんかみてると、心を乱されずにはいられませんでした。とてもじゃないけど、目を開けてられませんでした。

山口県の保健所では、現在保護されている犬や猫の情報はホームページ上で確認できるので、両親はあらかじめどの子にするかを決めていましたが、残念ながら、いや幸いなことです。決めていた子は、すでに心ある人に引き取られたようで、既に保健所にはいませんでした。

連絡の繋がった父親に連絡し相談すると「お前に任せる!」との事でした。そういう丸投げは、本当に勘弁してもらいたい。ここに居るみんなも命懸けなわけで、そんな簡単にこの子にしますなんて決められる訳なんかありませんから。でも、任された以上決めるしかありません。

まず群の中で一番弱そうに見えた茶色の子を引き取る事に決めました。職員の方に伝え、ペットキャリーに入れるお手伝いをしていただきました。怖がって嫌がりながらも何とか入ってくれて、一安心。

さてもう一匹どうしようと、立ち上がると足元に黒い何かが見えました。それは黒いワンちゃんで、その子は自分でペットキャリーに入ろうとしていました。職員さんが「すみません。」と、申し訳なさそうにゲージに黒いワンちゃんを抱き上げて戻しました。「何で開いたんだろう?」と職員さんが不思議そうにつぶやきました。ゲージの扉が閉まらず開いていたようで、職員さんが扉の鍵を掛けようとすると、黒いワンちゃんは頭で必死に扉を押しあけようとしています。根負けした職員さんが扉を開けると、黒いワンちゃんはまっすぐペットキャリーに歩いてきました。

「この子にします。」

何でかわからないけど、二度も自分からペットキャリーに来てくれた事から、これを運命と信じて黒いワンちゃんも引き取ることにしました。この黒いワンちゃん、帰り際に職員さんから聞かされたのですが、路肩に一匹で彷徨ってるところを保護されて、保健所に連れて来られたばかりだったようで、「あんた、ホントラッキーな子だね〜。」と、職員さんに頭を撫でられていました。

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引き取った二匹のワンちゃんです。
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茶色の子はハナちゃんと名付けられました。相変わらずビビリで、緊張がMAXに達するとついついお漏らしをしてしまいます。
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ラッキーワンちゃんのこの子は、クロちゃんと名付けられました。この子は、お散歩で外に出るのが怖いみたいですが、草むらが大好きで、草むらまで行ってしまえば、楽しそうにはしゃいで飛び回るヤンチャ犬です。